おいしい酒米を作るための土と米。

komedawara

 

酒米に限ったことではありませんが、おいしいお米を作るためには土がとても重要です。

有名なところでは「山田錦」、山田錦はコシヒカリと同じく倒伏しやすい稲です。また同じように病気や害虫・風に弱いので有機農法を行おうとするととても難しい品種でもあります。(病気や害虫対策にはやはり農薬が大量に必要になりますから。)

それでもいいお酒を造るには有機農法がとても大事になってくるのです。

有機農法とは?

有機農産物と特別栽培農産物があり、有機JASで規格されているのが有機農産物です。

特別栽培米との違いは、有機農産物が播種前2年以上及び栽培期間中に対象となる農薬・化学肥料を使用しなかった農産物のことであり、これに対して特別栽培農産物は栽培期間中に対象となる農薬や化学肥料を減じて生産されたものをいいます。

特別栽培農産物の中で、さらに厳しい条件を課せられたものが有機農産物なんですね。

なお、「農薬」のくくりの中には「生物農薬」も含まれます。

これは薬剤を使わずに、天敵や微生物を使って同様の効果を求めるものです。

虫や病原菌がつくことを防ぐために虫や微生物が使われるんですね。

ですから一口に「農薬は悪いもの」といってはいけません。

大事なことは使い過ぎないことなんです。(※これだけ世の中で農薬が敵視されている背景にはJAや国の指導がその一因を担っています。農家に対して、「一定以上の農薬を使えば補助金を交付する」制度のおかげで必要以上に農薬を散布しているわけです。)

農薬や化学肥料ばかりを使い続けると、大事なお米を育てる土が痩せて固くなってしまうのです。

一方、有機農法にも欠点があります。

それは単位面積当たりの収量が下がってしまうことです。

収量が下がるという事は作付面積を広げなければなりません。

人間活動によって発生する温室効果ガスの70%以上が二酸化炭素ですが、約14%はメタンです。

そしてこのメタンのうちの約1割が水田から発生していると考えられているのです。

単純に「収量が減る?だったら作付面積を増やせばいいじゃん。」とはならないのです。(必要な労働力も増えますし)

 

また、たい肥の熟成が不十分な場合はガス障害や高いC/Nによる窒素飢餓を生じてしまいます。(※C/N比とは炭素率のことです。「Chisso/Noudo窒素濃度」の略ではありません)

窒素は植物が成長するのになくてはならないものですから、これは重大な問題なんです。

なぜ窒素がこれほどまでに重要かというと

①自然界では不足気味で、要求量が栄養素の中で最も多い

②タンパク質や核酸(DNAやRNA)など多くの重要な成分の構成元素になっている

③窒素を吸収して利用するためにはエネルギーが必要で、そのためエネルギーを作る光合成や呼吸と関係しており、光や温度などの環境要因の影響を強く受ける

④植物体内での窒素の含量は多すぎても少なすぎても生育にマイナスになり、また適正なレベルは光や温度などの環境によって変化する

といった理由からです。

いかがですか?これだけを切り取ってみても、有機農法がいかに大変かを伺い知ることができますね。

 

さて、稲の話に戻ります。

一般的に酒米の稲は、食用米の稲と比べて草丈が長いものが多いので、それをしっかりと立たせる土づくりもとても難しいものとなります。

そんな困難を乗り越えて栽培されたエリートがお酒になるんですね。

こうして栽培されたお米は「酒造好適米」とされており、「美山錦」、「雄町」と同じくお酒を造るのに特に適した酒米とされています。

心白粒とは?

胚乳部の横断面に白色不透明な部分が平板状又は紡錘状となっているもの
醸造用玄米以外の心白粒は、中心部に白色不透明な部分のあるもので、その白色不透明な部分の大きさが粒平面の2分の1以上のもの
醸造用玄米の心白粒は、中心部以外にのみ白色不透明な部分のあるもの
ただし、白色不透明な部分が中心部にあり、かつ他の部分に及んでいるもの(いわゆる心白流れ)でとう精しても割れないものを除く。 

 (農林水産省 農産物規格規程より)

まぁこう聞いたら難しいかもしれませんが、普通のお米にとってのうまみ成分であるタンパク質・アミノ酸が少なく、心白(でんぷん質)が食用米に比べて大きいことが特徴です。

うまみ成分でもあるアミノ酸が少ないので、食べてもあまりおいしくないんですね。

ここで豆知識を一つ

でんぷんも炭水化物の一種ですが、炭水化物は「有機物のうち糖をベースに持つ一連の化合物」です。

タンパク質は「アミノ酸と呼ばれる有機物がベースとなった一連の化合物」です。

タンパク質は炭水化物と比べて燃焼効率が悪いことも特徴です。

 

余談ですが、紙パックのお酒には米は使われていないってご存知ですか?

正確には3等米未満のコメが使われている可能性はあるのですが・・・そのほとんどはくず米とされた米の粉を使っているのです。

お米の品位規格にはみなさんご承知の通り1等級・2等級・3等級・規格外の区別があります。

3等米は「被害米」や「死米」、「着色粒」、「異種穀粒及び異物混入」の割合が30%以下となっています。

3割と聞くと大きく感じるかもしれませんが、実は2等米でも20%以下、1等米で15%以下は許容されています。

被害米や死米、着色粒については農林水産省の農産物規格規程をご参照ください。

今回は酒米を作るのにとても大切な土と稲のお話でした。


投稿者:

らけ

酒が大好きです。 特に日本酒が大好きで、一時期日本酒の会で勉強しておりました。 他にはカクテルやワインを好みます。 おいしいお酒、本物のお酒についての情報を提供していきます。

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