酒造好適米

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酒造好適米とは、食用米とどこが違うのでしょうか?

まず、大きさが違います。

食用米に比べ稈長(稲の背丈)は長くなり、穂長(稲穂の長さ)も長いのが特徴です。(最近は品種改良によりだいぶ短くなってきているようです)

※「草丈」という場合は稲に触れずに穂が垂れていてもその一番高い部分で測りますが、稈長は地面から穂首までの長さを、穂長は節になっているところから一番長い穂先までを手で伸ばして測ります。

そして粒も大きいのが特徴です。

次に心白が食用米より大きくなります。

心白とはお米の中心部の白いところです。

この心白にはたんぱく質の含有量が少なく、磨いても砕けることがないように粘度が高く、醪(もろみ)によく溶けるという性質があります。

最後に、醸造適性があります。

醸造適性とは、お酒にする醸造のしやすさのことです。

蒸米吸水率や麹への造りやすさなど、日本酒造りにより適しているということです。(食用米からお酒が造れないということではありません)

食用米に多く含まれるたんぱく質や脂肪は、食べるには旨味となりますが、お酒となると苦みや雑味として現れてしまうのです。

 

酒造好適米にはどんなものがあるの?

食用米ほどではありませんが、酒米にも種類はたくさんあります。

ここでは代表的な一部の酒造好適米についてのみ解説させていただきます。

山田錦(やまだにしき)

主な産地は兵庫県です。

多くの新品種の親株でもありますので、一番有名な酒米と言ってもいいですね。

1923年に兵庫県立農事試験場にて「山田穂」と「短稈渡船」を交配し、1931年に品種確定して「山渡50-7」と系統名がつけられ、1936年に「山田錦」と命名されました。

※山田穂とは山田錦の母体となる品種です。

山田錦を使用して造られたお酒は香味が良く、大吟醸酒や鑑評会に出品する日本酒などもこの山田錦を原料として造られることが多いです。(酒米の中でも全国一の生産量ですし)

 

五百万石(ごひゃくまんごく)

主な生産地は新潟県です。

山田錦と並んで酒米界を代表する品種です。

命名の由来

新潟県の米生産量が五百万石を突破したことを記念して命名された酒米です。

「菊水」と「新200号」を掛け合わせてつくられました。

昭和50年代後半にはシェア50%の人気銘柄になり、現在でも酒造好適米の作付け面積第1位の地位を確保しています。

山田錦が晩生であることに対して、五百万石は早生(わせ)です。

地域によっては、山田錦を栽培したくても晩生であるために十分に登熟しないことがあります。

そういった地域では山田錦を品種改良するか、こちらの五百万石のような早生品種を栽培するようです。

粒の大きさは山田錦に比べると小さいのですが(それでも大きい方です)、とてもフルーティな仕上がりになります。

 

美山錦(みやまにしき)

主な生産地は長野ですが、秋田、山形、岩手など東北地方で広く栽培されています。

耐肥性に強く耐冷性に秀でています。

美山錦は、昭和53年長野県農事試験場にて「北陸12号」を母、「東北25号」を父とした「たかね錦」をもとに、突然異変によって誕生した比較的新しい酒造好適米です。

香りは控えめですが、お米の味がよくわかりすっきりとした軽快な味わいとなります。

 

雄町(おまち)

主な産地は岡山県です。

雄町は酒米の中では最古参の種目です。

山田錦や五百万石と比べても祖先にあたりますが、香りも味わいもまったく違います。

稈長が他の品種よりもさらに高く、倒伏しやすく病虫害にも弱いため栽培がとても難しいため一時期は絶滅の危機にあったくらいです。(現在は岡山の酒造メーカーを中心に作付面積を増やしていますが、地元酒造メーカーとの契約栽培が多いため、他県の酒造メーカーにはなかなか供給されません)

山田錦の父親でもある「渡船」は1895年に滋賀県立農事試験場で備前雄町から選抜された品種です。

雄町は山田錦と比べ、芳醇でコクのある味わいのお酒ができあがります。

 

※山田錦と雄町は晩生であり、五百万石と美山錦は早生です。

 

現地適応性とは?

その土地の気候や土壌などをはじめとして、それぞれの土地に合っていることをいいます。

寒い地方は早成熟型、温かい地方は晩成熟型などです。

その土地の自然環境に適した栽培種であることが認められると、農林水産省が農産物検査法に基づいて、都道府県もしくは産地ごとに産地品種銘柄にしていするのです。

なお、都道府県奨励品種とは違って、産地品種銘柄は複数の都道府県のブランドとして指定されることも多くあります。

 

少々難しいかもしれませんが、これはとても大切なことです。

検査機関が行う米穀検査に合格すると、その産地・品種と産年の証明を取得できるのです。

検査機関の証明を受けていない米や玄米は、生産者・販売者などが勝手にその産地・品種・産年の表示をすることを許可されていません。(「その他品種」と表示することになっています)

これは銘柄偽装問題と直接かかわりがあることなのです。

私たち消費者が酒米を直接買い受ける機会はあまりないでしょうが、出自のアヤシイお米や玄米には残留農薬など様々な危険が潜んでいるのです。

 

精米歩合

精米歩合とは、精白(精米)の程度を示す比率(割合)のことです。

精米歩合とは、白米(玄米からぬか、胚芽等の表層部を取り去った状態の米をいい、米こうじの製造に使用する白米を含む。 )」とされています。

ですから、精米歩合の数値が低いほどより高度に精米されていることになります。

 

以前は、

本醸造酒は70%以下

純米酒は70%以下

吟醸酒は60%以下

大吟醸酒は50%以下

と規定されていましたが、平成16年に「清酒の製法品質表示基準」が一部改正されて純米酒から精米歩合規程が撤廃されています。

 

精米歩合についてはこちらのBlogにとてもわかりやすく解説されています。

「KURAND」さん

表をお借りしてみました。

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ここで一つ注意点を

確かに精米歩合を50%にまでするには50時間もかかります。

それだけ雑味も消えますし、香りも高くなり良いお酒ができることは間違いがないのですが、先にも触れました通りお米の粒には大きさがあります。

小さい粒ではそれほど磨かなくても必要な心白部分に到達できますし、逆に大きい粒であればそれだけ磨く必要もでてきます。(無駄が多い?とか書いたら怒られるでしょうか?)

清酒の製法品質表示基準で決まっていることも、味わいのランク付けがされているわけではないことを覚えておいてください。

あくまでも「表示をする上での基準」なのです。

精米歩合によって味わいに違いがでてはきますが、だからといって精米歩合が高ければおいしいというわけではないのです。

自分の好みの味や香りを見つけるための目安としていきましょう。

全ての蔵が味わいを追究していく過程の一つとして、精米歩合にもこだわってみた。

ということです。

 

次回はいよいよ日本酒の仕込みについてをお話ししようと思います。


投稿者:

らけ

酒が大好きです。 特に日本酒が大好きで、一時期日本酒の会で勉強しておりました。 他にはカクテルやワインを好みます。 おいしいお酒、本物のお酒についての情報を提供していきます。

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